桔梗ヶ原病院におけるリハビリテーション

脳卒中や頭部外傷などに対するリハビリテーションは現在以下のような区分がされています。

  • ・急性期(発症から2週まで)
  • ・回復期(急性期以後発症から150日、あるいは180日前後まで)
  • ・生活期(回復期を経て自宅復帰した時期,地域での生活を再開・継続する時期)

「生活期」夢の実現いずれの時期も重要ですが、回復期と生活期における専門的なリハビリテーションを提供することが桔梗ヶ原病院の役割です。とくに生活期におけるリハビリテーションは患者さんにとって最も長く続く時期であり、この時期のリハビリテーションには高い専門性が要求されます。
患者さんの「生活期の夢」実現のために最新のリハビリテーションを提供することが桔梗ヶ原病院の使命です。高次脳機能障害者に対するリハビリテーション、さらに脳卒中リハビリテーションでは先端的な経頭蓋磁気刺激TMSとボツリヌス治療などを提供していきます。

【高次脳機能障害の画像診断について】

当院では3テスラMRIを導入し、脳白質病変の検出に優れている拡散テンソル画像(DTI)およびDTIを応用した脳白質線維を3次元で抽出できる fiber tractography(FT)を用いて高次脳機能障害患者の診断を行っています。従来の頭部CTとMRI画像では限界のあった脳病変の検出が可能となっています。

【治療をご希望の方は】

高次脳機能障害に対する治療・リハビリテーションをご希望の方は、
リハビリテーション科まで電話にてご連絡下さい。

桔梗ヶ原病院:0263-54-0012

外来:三村(内線5144),高次脳機能リハビリテーションセンター:臼沢(うすざわ)。

高次脳機能障害とは

脳卒中(脳梗塞,脳出血,クモ膜下出血)や頭部外傷(脳挫傷、びまん性軸索損傷、外傷性クモ膜下出血など)などを原因とした脳の器質的損傷により認知機能(記憶、注意、言語、構成能力、視知覚認知機能、遂行機能など)が障害される病状を指します。日本では2004年に国立身体障害者リハビリテーションセンターにより診断基準が明らかにされています。

高次脳機能障害の発症数

高次脳機能障害者数の実態調査を行った最も新しい論文が慈恵医大第三病院リハ医学科の渡邉先生によりだされています(渡邉修ほか:東京都における高次脳機能障害者総数の推計。Jpn J Rehabil Med 46: 118-125,2009)。この調査で東京都における推計患者数49,000人(人口1,300万人)であったと報告されています。この推計を充用すると各都道府県における患者数が概算できますが、長野県ではおよそ8,000人と推計されます。対象となった原因疾患では東京都調査における対象疾患数は脳卒中899例、外傷性脳損傷90例であり、脳卒中が外傷性脳損傷の10倍の頻度で原因疾患となっていることが着目されます。脳卒中の発症頻度は福岡県久山町データでは470人/年・10万人とされおり、脳卒中者の少なくない方が高次脳機能障害を後遺症として有していることになります。東京都のデータでは、高次脳機能障害の内訳として社会的行動障害44.5%、記憶障害42.5%、注意障害40.5%、失語症40.4%、遂行機能障害29.3%、半側空間無視10%、失行症8.6%などとされています。

高次脳機能障害に対するリハビリテーション

脳卒中や頭部外傷後に高次脳機能障害の的確な診断がされること、そしてその改善に向けたリハビリテーション(認知リハビリテーション)が必要となります。認知リハビリテーションの方法と効果については現在までに多くのエビデンスが明らかになっています(Cicerone 2011、渡邉修 2013、など)。早期からの効果的で斬新な認知リハビリテーションの介入が予後を左右します。さらに、復学・復職・就労に向けた継続的な援助も必要となります。また後遺症に対する精神保健福祉手帳の申請、障害年金の申請などの診断書記載も専門科医師の重要な仕事となります。そして障害者総合支援法と介護保険法などを利用していくこと、障害者職業センターとの連携による就労支援が高次脳機能リハビリテーションセンターの課題となります。

2016年掲載文献

原 寛美:高次脳機能障害に対する認知リハビリテーション.日医雑誌 第145巻・第6号
特集 高次脳機能障害.2016、pp1201-1204

原 寛美:遂行機能障害に対する認知リハビリテーション.武田克彦、村井俊哉(編)
高次脳機能障害の考え方と画像診断.中外医学社、2016、pp92-99

原 貴敏、原 寛美:記憶障害のリハビリテーション.武田克彦、村井俊哉(編)
高次脳機能障害の考え方と画像診断.中外医学社、2016、pp59-68

高次脳機能障害に関する当センターからの研修会・発表

第40回高次脳機能障害学会学術総会 2016年11月11~12日(長野・松本)

第39回高次脳機能障害学会学術総会 2015年12月10~11日(東京・渋谷)

武田克彦先生による院内 Luncheon Seminar (第40回高次脳機能障害学会 学術総会 会長)